2018年06月21日

田舎暮らし 〜 玉川温泉に命を思う 〜

 前の週に尋ねたばかりだったが、オフクロのいる施設から呼び出しの電話があった。医師の話があると云う。オフクロは会うたびに小さくなっている。その日、医師は体を動かさなくなると食が細り、それに合わせるように体も小さくなり、それを繰り返して人の命が終わると云うような話を伝えたかったらしい。オフクロは終末期の負のスパイラルに入っている。
 人は五体不満足になったら認知症でいる方が楽かもしれない。下の世話に遠慮して水分を取るのを我慢したりしなくても済む。普通の頭のままで、動かなくなった体や意思を伝えるには不自由になってしまった声帯などを思う時、生かされていることの辛さを噛みしめているに違いない。オフクロは行くたびに延命治療の不必要さを訴える。

 面談の時までは数時間あったので八幡平方面に向かった。出来れば八幡平の山頂まで行きたかったが、途中の玉川温泉までにした。測ると時間がなかった。玉川温泉には子供たちが小さい頃に行ってから久しぶりの立ち寄りだった。まだアトピーがあった頃で、強酸性の湯が猛烈に沁みた。今は行方知れずだが、子供のころに、その付近から出たという北投石を宝物にしていた。もちろん、北投石はラジウムを放射する希少な鉱石で日本ではここが唯一の産地。天然記念物に指定されていて採掘は固く禁じられている。なお、北投石は台湾の北投温泉由来の呼び名である。
 入口の高台にある駐車場に100円を払って車を停め降りていくと、源泉方向に続く木道を丸めた茣蓙を抱えた人々が行き交っていた。岩盤浴をする人々だ。岩盤浴には特に制限はないようで、道端や離れた丘の裾などに思い思いに腰を下ろしたり、寝転んだりしている。
 源泉の脇出し口は相変わらずの迫力だ。濃硫酸並みの強酸性のお湯が音を立てて溢れだしている。そこから温泉宿の方に向かって一筋の滔々たる流れも出来ている。流域には噴き出て結晶化した硫黄の冴えた黄色が目に付く。
 さらに進むと山肌に幾筋もの噴気が上がっていた。噴出孔付近には硫黄が結晶化してできたチムニーが立っている。遊歩道のすぐ傍にも噴気孔がいくつもあって硫黄の臭いが鼻を衝く。

 多くの末期がんの人々が最後の拠り所として、ここを訪れると云う。そして、ここで治癒したという話も聞く。この谷いっぱいに地球の生々しくも強烈なエネルギーを感じるのは確かだ。


源泉の湧出口。濃硫酸並みのPHを示す。
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湯の花畑
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硫黄また硫黄
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山肌に幾筋もの噴気
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吹き出し口に形成された硫黄のチムニー
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岩盤浴スペース
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posted by 釣魚迷 at 06:19| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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